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「ある日、私は父に連れられて森の中へ行きました」
父って。
「父の働く姿をぼんやりと眺めていると、父は手オノを池に落としたのです」
振りかざした時とかね、割とやりがちなミス。
「すると、池から女神が現れて」
おい待て。聞いた事あるぞその話。
「父は3つのオノを手に入れて富を得ました」
おとぎばなしのルーツにお前関わってんの何か腹立つわー! 俺魔王なのに、何にも関わってない。ただここに眠るだけって。何この虚無感!
「父の資産を受け継いだ私は商人となり、街で武器屋を営み始めたのです」
確か、二つ前の前世では人間の敵でしたよね? 忘れてませんか?
「私は朝方に妻から食パンを貰い、ダンジョンに足を踏み入れて戦利品を売って生計を立てていました」
お前、それ……
「家庭を持つ幸せとは、こんなにも暖かなものなのだと、私は噛み締めました。幸せであると。人として、トルイヌとして生まれて良かったと」
トルイヌ!!!! 不思議のダンジョン行ってるヒゲおじさん! お前だったのか!! もうお前俺の敵になってんじゃん! 4で魔王倒してんじゃん! 吾輩じゃない方の!
「沢山の孫にも恵まれて、私は天寿を全うしました」
何してんだよ! 魔王を復活させろって!
次こそだろ! さぁ来いよ! 吾輩の番!
「目が覚めると私は、すぎやまこうのすけとして生を受けました」
作る方! 製作側行った!
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