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眠るあなたを見ていた。ほんとうにただ、
あなたを見ていただけだよ。
だから何もやましいことなんかないはずなのに。どうしてこんなに胸がどきどきするんだろう。
あなたがゆっくりと手を伸ばす。
「来て」
そしたら僕はまるで機械仕掛けの人形のようにその手を取って、そしてあなたの腕の中に収まってしまうよね。
ぴったりと重なった胸から伝わる熱で、僕の胸もじんわりと温まってくる。
あなたの唇が、僕の耳の形を確かめていく。そこからもあなたの熱は伝わる。熱が動く。あなたの熱が揺れて響いて伝わって、僕の身体の中を静かに満たしていく。
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