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ギバスの術式によりセトの身の上が明らかとなった。 彼は氷漬けとなる前、父親と二人で暮らしていたのだ。 父は人形使いと呼ばれる魔法使いであった。無生物を生命が宿ったかのように操る魔法である。 「母は魔族に殺されました」 「魔族?」 ギバスは眉をひそめながら手持ちの魔法のノートをめくった。 「人間の世界に魔王が現れて、たくさんの人が殺されました」 セトの取り戻した記憶に基づく証言を聞きながら、ギバスはノートの記載を確認している。 「魔王との戦い・・・。  かなり古い時代の話ですね。およそ200年前」 ギバスの魔法のノートは大量の情報をつめこみ、呼び出すことができる。あちこちページを行き来しながら彼は話を続けた。 「セトさん、あなたはその時代にあの石造りの巨兵に乗り、魔族と戦っていたと」 「はい。  ボクが14・5歳のころ戦争は終結しました。魔王を封印することに成功したんです。  ですが・・・」 セトの供述をノートに書き記していたギバスはその手をとめて顔を上げた。 「戦争が終わって、もとの生活を取り戻そうとしていたときに、ある預言が」 「預言?」 <この平和は 200年まで続く> <その後何者かにより悪は復活するであろう>
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