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4.
「やばいな」
「あのことが知られたら鉄球でぺちゃんこだね・・・」
封印からよみがえらせてしまった悪魔の件はダスクとデイブ、そして現場にいた数人だけの秘密であった。
デイブは親指のつめを噛みながら、鉄球から逃れる術を必死で探していた。
「あいつはまだすべての力を取り戻してないハズだ。
一刻も早くあの悪魔野郎を探し出して倒すしかないだろうな」
封印からよみがえったのは小学生サイズで、魔王と呼ぶにはいささか迫力に欠けていた。おそらく完全な状態ではないのだろう。
「でも、倒すにしても、居場所がわからないし。
こないだ調べた家は違ったしね」
生き延びたい気持ちはダスクも同じだが、いいアイデアは出てこない。
「俺たちが悪魔を倒すのが先か、
復活がセトにバレるのが先か・・・」
「バレるのが先だよね。
もう、こっちから正直に打ち明けようよ」
「即鉄球が飛んでくるだろ」
「いや、そんなことないでしょ。
もう悪魔が復活しちゃってるってことなら、今さら自分たちをどうこうしたって意味がないし。
悪気があったワケでもないんだしさ」
「うーん、それしかないか」
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