恐怖を煽るのはどっちだ?

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 オミクロン株が急速に感染拡大したことを受け、医療逼迫を回避する為、軽症者を入院させず、自宅療養させることに切り替えた政府並びに地方自治体。自宅療養と言うと聞こえは良いが、実質自宅放置で本格的な治療を受けられない上、どうしても外出が必要な時もあるだろうし、家庭内感染するから感染拡大に拍車をかけてしまう。徒でさえオミクロン株の感染力がデルタ株の4倍もあるのにこれでは行く行くは医療崩壊するに違いないから恐らく政府並びに地方自治体は軽症者を余程重症化するリスクがない限り自宅療養させることになるだろうし、或いは重症でない限り自宅療養させることになるだろう。だから自宅療養がどんどん増えて感染拡大が加速するに違いない。仕舞には重傷者も自宅療養させ、死者を生む最悪の事態を迎えることになるだろう。  元はと言えば、空港検疫に於いて精度の高いPCR検査をやらずに精度の低い抗原検査を推し進める厚労省の感染研と医系技官がいけないのだ。その証拠に12月の初旬頃からオミクロン株が抗原検査を相当数擦り抜けた為に偽陰性者が市中に相次いで入って行ってしまったのだ。更に悪いことに厚労省の感染研と医系技官にとって空気感染を認めると、飛沫感染、接触感染しか認めていなかった自分たちが間違っている事実を暴露してしまう破目になるし、飛沫感染、接触感染した恐れのある濃厚接触者を調べる対価として国から予算が下りて来る今迄の仕組みが絶たれてしまい、自分たちの仕事がなくなるから空気感染を認めたくないし、説明しない。それが負のスパイラルを生み、厚労省、延いては政府に忖度する専門家らもメインの感染ルートが空気感染なのに飛沫感染、接触感染としている所為で濃厚接触者という意味を為さない言葉を未だに使って感染対策について提言しているから国民をミスリードしてしまう。おまけに感染者が激減して油断していた国民は、年末年始、外出を控えなければいけなかったのに帰省ラッシュを起こし、初詣に大勢詰めかけ、Uターンラッシュを起こしてしまった。となれば、感染拡大するのは必至だ。  因みに空港検疫に於いて何故、精度の高いPCR検査をしないのかと言うと、これも抗原検査でないと国から予算が下りてこないという厚労省の感染研と医系技官の都合上の理由で抗原検査からPCR検査に切り替えられないのだ。つまり国民の為ではなく自分たちの利権を守る為に検査をしている訳だ。斯くして日本は実に杜撰なコロナ対策をしている所為で年明けから感染者数が増大傾向に転じた次第だ。  然るに多くの企業で仕事始めとなった4日、東京都千代田区の神田明神では参拝客が多く押し寄せ、中でもスーツ姿の参拝客が目立ち、商売繁盛を願って熊手やお守りを求める人で境内は人いきれする程の密集密接状態になってしまった。嗚呼、一体、この連中は何を考えているのだ。僕はテレビニュースで見たのだが、自分には滑稽にしか見えず、オミクロン株が猛威を揮いだしたというのにこんな時でもみんな集まってお参りかよと呆れ返って皆でギャグをやっているのか?とさえ思えたのだ。日本人ってホント可笑しな民族だよな。伝統を悉くかなぐり捨てて来た癖に而も敬虔な信者でもあるまいし馬鹿げた風習だけは捨てられないんだな。お隣の中国じゃ有り得ないことだよ。その証拠に今、中国は北京五輪が迫っているという事もあってロックダウン中だが、7日、テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」に出演した、元プロ野球選手でタレントの長嶋一茂は、中国の現状に、「びっくりですよね。非民主主義国家だからなし得ることかな。五輪のために西安の人たちは死んでくれと言っているように僕には聞こえる」と驚き、レギュラー出演のテレビ朝日局員の玉川徹氏も、「人権とかないからな」と呆れ、コメンテーターとして出演したヴァイオリニストの廣津留すみれ氏も、「制限が厳しすぎる。心の健康はどうしているのだろうと思うが、中国の辞書にはそういう言葉はないのかな」と信じられないという表情を見せた。  確かに食料が枯渇したり、急病患者や妊婦が病院から受診を受け付けてもらえず命を落としたり、家から無断外出した人の家の扉を役場の役人が溶接して開かないようにしたり、買い物に出かけた住民を防疫要員が暴行したりするのは、酷いと思うが、中国位、全国民に徹底してPCR検査を行い、陽性者をしっかり隔離しないと、感染拡大を防ぐことは出来ないのだ。そして実際、感染拡大を防いで来たのだ。だから日本が感染対策に関して中国を批判する資格はないのだ。それに中国は貧困層や失業者への支援を強化しているのに日本は特別定額給付金を一回送っただけでそれ以外まるで支援していない。何処の先進国だって支援を強化しているのにだ。それなのに件の出演者たちは何をアホなことをほざいているのだ。民主主義とは名ばかりで総体的に見れば、日本の方が非民主主義国家なのであり、人権が無いのであり、心の健康という言葉が辞書にないのである。そしてこれから日本の方が遥かに酷いことになるに違いない。  何を悲観ばかりしてるんだ!オミクロン株は感染しても軽症で済む率が高いんだ!だから只の風邪なんだ!なのに恐怖を煽るな!という声が聞こえて来そうだが、馬鹿たれが!好い加減危機感を持て!と僕は言いたい。軽症と言ったって38度以上の高熱が出るし、記憶障害など脳に後遺症が発症する場合があり、そうなれば重傷者と変わりないし、感染力が強く感染者が半端なく増えるから結局の所、重症者がデルタ株の時より増えるだろうし、ワクチンを2度以上打っていても感染するし、とそう考えてみても2022年あけましておめでとうございますとはとても言ってられない局面を我々は迎えたのである。  然るにうちの会社もバカはバカでも超が付く程のバカでリモートで仕事が出来るのに緊急事態宣言が出ていないからって出社という事になった。而も多くは満員電車に揺られながら。で、社長が年頭のあいさつの中で、「わしはワクチンを2回打って神田大明神で柏手を2回打って商売繁盛と無病息災を祈願したからもう大丈夫じゃ!」と天然のバカぶりを発揮し、社畜どもも社長!私も社長と同じことをしましたから大丈夫です!とこんな調子だ。うちの会社は極端にしてもうちの会社と同じくリモートで仕事が出来るのに態々出社させる会社が主流のようだから何でこうも日本人って皆と一緒が好きなんだろう?と呆れ返る。あーあ、ほんと、もうやんなった。こんな連中といたら、もうあかんなと悲観したくもなるって。だから僕にとっては、寧ろこんな状況でも楽観視できる連中が恐怖を煽るのだ。そう考えると、神田明神に詰めかけた参拝客たちも恐怖を煽る類だな。だからギャグというよりホラーだ。そして今日、多く参加するであろう成人式もホラーだ。  
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