想い破れて連れ立って

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 その正体は同じ制服をまとった友人だった。一体なぜここがわかったのだろう。私の疑問をよそに友人は隣に座る。 「あたしもさぁ、今日はサボりたい気分なんだよね」  友人は海を見たまま伸びをして明るい口調で話す。単にサボりたいだけなら一人でどこかに行くはず。わざわざここに来たのは私を気遣ってのことだろうか。おかしいな。先生のことは話していないはずなんだけど。 「でも、一人じゃつまんないじゃん。一緒にサボらない?」  友人はいたずらを思いついたように笑って立ち上がり、私に手を差し伸べる。いろいろ聞きたいけど、なんだか野暮な気がしてきた。それに寒くなってきたし、ずっとここにいたら風邪引きそう。 「とりあえずあったかいところ行きたいな」  私は友人の手を取って立ち上がる。彼女の手も私と同じくらい冷たい。口に出さないだけで心の中では寒がっているかもしれない。 「いいね。カラオケ行く?」 「ほんと好きだね」 「だって楽しいもん!」  あったかいところでカラオケって……まぁ、いいか。カラオケは嫌いじゃないし。友人の元気な歌声を聞いて元気を分けてもらおうかな。
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