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無我夢中で走ってたどり着いた先は海だった。息を切らしながら誰もいない浜辺に私は座り込む。
「せん、せぇ……」
私は海に向かって思いきり声にならない声で叫んだ。ぐちゃぐちゃになった気持ちを外に出さないと気が済まなかった。再び涙があふれ、衝動のままに泣いた。本当はまだ終わってほしくなんかない。でも、私がどれだけ叫んで泣いたところで無駄だ。先生は私の知らない誰かと一緒になってしまった。その事実は変えられない。
「バカだなぁ」
本当に私はバカだ。これからどうしようかな。今更学校に戻ってもって感じだし。かといって家に帰りたい気分でもない。途方に暮れていると、後ろから誰かが近づいてきた。
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