ぬいぐるみ奇譚~クマコのハナシ~

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 8年前、22歳の冬。  泣きながら電話した私の部屋に、カオリは走って来てくれた。  言葉通り泣きつく私を宥めて、上がった息のまま怪訝な顔が訊く。 『クマが燃えないって何!?どーいうこと!?』  事の発端は、当時大切にしていたテディベア。高校時代から交際していた熊田くんが、付き合って最初の誕生日にくれたものだった。  遠距離恋愛の末に別れて丸1年、なかなか捨てられずにいたけれど、年を越す前に思い出と一緒にお別れしようと、その日の朝、"お焚き上げ"に持っていった。  のだけど。
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