2.富士山の上空(うえ)で

1/1
前へ
/8ページ
次へ

2.富士山の上空(うえ)で

 修学旅行当日の早朝、空港に集合して始発の飛行機に全員乗り込んだ。そろそろ富士山上空というところで、窓辺に座っていたレイラは、 「ウワー!富士山がとても奇麗だよ?アリス」 と言って隣のアリスが外を見やすいように身体をそらしながら言った。 アリスは、 「本当ね!雪があんなに積もってるんだぁ…」 と答えた。高知では山間部を除いては、雪がチラつくことはあっても積もることはめったになく、アリスも覚えている範囲で2~3回しか記憶がなかった。  レイラの席は最初、最後尾のCA(キャビンアテンダント)さんの席に座る予定だったのだが、アリスが、 「レイラは私と座ります!大事なお話があるんです!」 とCAを説得して、今の座席になった経緯がある。  「アリスー、大事なお話ってなに?」 それまで黙っていたが気になってレイラは聞いてみた。 「あ~、あれ?あんなのウソに決まってんじゃん…」 「あー!アリスったら悪いんだ。アハハハハ…」 その後二人で爆笑してしまった。レイラはおかしくて涙目になりながら、 「私、アリスとは一生親友でいると誓うよ!」 「私も誓うよ!レイラとは一生親友だよ!」 と誓い合った二人だった…。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加