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「…ん……ちゅっ…」
何年も焦がれた続けた朝陽との久しぶりのキスは春色ブレンドの味がした。
朝陽の顔が交互に動き、僕の唇を優しく食んでくれる。キラキラした木漏れ日が潤んだ朝陽の瞳を輝かせ、一筋の筋が光の雫の様に落ちていくと もどかし気に唇は離れていった。
「響……会いたかった。何度自分の元に呼び寄せようと思ったことか」
「…僕だって」
大きな手が僕の頬の形をなぞり、耳を見たいと言わんばかりに髪をかき上げてゆく。
「愛してる……」
吐息交じりの愛してるは僕の耳を擽り、身体の芯を熱くした。首筋に沿ってキスされていくと押さえつけていた欲を引き出されてしまいそうになる。
「だ…だめ、、、朝陽。桜の…チーズケーキ出さなきゃ……ぁ…」
そう言いながらも、僕の声は艶を増してきて朝陽を誘っていた。
「後で頂く。まずは、君を……」
抱きたい――
色っぽく響く朝陽からの口説きに うっとりと酔わされる……
朝陽のふわりとした唇が僕の鎖骨に落とされると欲の箍が外されてゆく。僕は朝陽の手を取り立ち上がらせると、シャツのボタンに手を掛けた。
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