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「響…愛してる」
朝陽からすくい上げられ抱えられた。
「朝陽…僕も愛してる」
こんな雰囲気になったら、もう互いの気持ちを止められるはずはなかった。太陽が僕達の事を見ているというのに、それでもいいと思えるくらい僕は朝陽を欲しがっている。
「休憩所の簡易ベッドだなんて色気はないが…」
「構わない。あなたといればどんなベッドでも最高級のベッドになるよ」
「ふふ、なるほど。じゃ、行くぞ」
人は恋をすると魔法を使えるようになるらしい。シンデレラが住んでいたあばら家がゴージャスなお城に変わるくらいの威力がある。
恋は、世界を一変させる……それは、とても素敵な感情だ。このまま僕らが年を重ねても、そんな純粋な感情を持ち続けたい。
「うん。朝陽、これまでの分もたくさん愛して」
「分かった……もういいってくらいに愛してやる。だから、これからもずっと…俺の傍にいてくれ」
「うん!」
僕は春色ブレンドの香りに包まれた朝陽の厚い胸に頬を摺り寄せた。彼の心音が僕の心音と同調してトクトクと鳴り始めると、そっと目を閉じる。
「ずっとずっと一緒にいようね」
好きなものに囲まれて過ごす日々
お互いを高め合う毎日
…未来を想像すれば胸がじわりとあったかくなって―――。
そんな、ふわりとした幸福感は
僕らを燦爛と煌めく世界へと誘っていった。
完
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