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「北山景子！何ぼーっとしてるの。私にも教えてよ～」
「あ、、、ごめん。でも、女優さんの名前を呼ぶのは止めて欲しい」
3日前の事だ。
僕は行きつけの美容室で襟足を短めにしたショートボブにさせられた。それが、今テレビで人気の女優 北山景子に激似だと高校内で話題になっている。
色白で色気あるぽってりとした唇を持つ美人に似ているなんて僕にとっては光栄な事だったけど、どうあがいても女優に似た男というのは変わらず。逆に虚しい気持ちになってしまった。
「ホント、似てる～～！」
「北山さん！私も、教えて～～」
「もう…」
2月13日 日曜日の昼下がり。
女子たちからお願いされた僕は、明日のバレンタインデーのためにお菓子作りを教えていた。町内の公民館のキッチン、隣からはママさんコーラスの歌声が聴こえる。
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