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スポーツ万能、気さくで人気者の彼は僕の憧れだ。
僕は彼とは正反対で、スポーツをすれば みんなの足を引っ張るほどの運動音痴、色素が薄いのか髪も目もブラウンで肌も白く 女の子みたいな名前と顔のせいで、あまり目立つことを望まなかった。
だけど、そんな僕を引き立て、学校になじませてくれたのは博人のお陰。今では、学校のお菓子倶楽部 シェフ・ド・パルティの部長をしている。地域のお菓子コンテストに入賞したため男女の部員も多く、季節の行事に希望があれば部員でなくても こうやって公民館を借りてお菓子やケーキを教えたりもしていた。
「もう一個食べてもいい?」
「もちろん。博人が嬉しそうに食べてくれると、作り甲斐があるよ」
この嬉しそうな笑顔をずっと見ていたい。それだけで十分……僕の毎日は本当に幸せだった。
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