公爵令嬢・オブ・ジ・デッド

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「ミラベル・ヒューゴーを斬首の刑に処す」  その裁判は極めて迅速だった。私は学園帰りに囚われ、石造りの狭い部屋に押し込められた。そして5日の後、公衆の面前に引き出されての突然の死刑宣告だ。  見渡すと少しだけ気がとがめるようなフリードリヒ王子と口角を大きく上げて喜悦の極みをその笑みに浮かべたシャーロットが視界に入る。その瞬間激しい怒りで目の前が真っ赤に塗りつぶされる。  私が閉じ込められていた間に全てが整えられたのだろう。  それよりお父様は⁉ お父様はどこ⁉ こんな無法を許してなるものですか。 「そなたの一家は既に全て斬首された。そなたが一番罪が重いゆえ最後となった」 「なんですって⁉ 私に、私に何の罪があるというのです⁉」 「ふぅ。今更何をいう。反乱罪、それから王子の暗殺未遂」 「しませんッ! そんなことッ! するはずがない! そのことは王子がよくご存知のはず!」 「ならば何故そう申し開きをしなかったのだ。弁明の機会は与えられたにも拘らず出頭しなかったではないか」 「知りませんッ! 私は5日前から誰かに監禁されていました! だから!」
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