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「うるさい」
唯は言いながら、少年の喉をすっと刀で刺し貫いた。
刀を引き抜くと同時に、新たな鮮血が溢れ出した。
声が出ないことに気づいた少年は、茫然とするしかない。顔から血の気が失せていく。
「貴様は、甘えすぎた。頼りにしすぎた。だからどうしようもなくなって、依頼をしてきたんだろう。身近な存在だったろう? だからこそ、異変にも気づきやすかったんだよ。独りで生きられもしない。生きようともしてこなかった。そんな貴様には、こんな罰が妥当だよ」
唯は冷ややかな視線を向けると、刺さっていたカッターを引き抜いて、廊下を後にした。
「なにがあった!」
一階へ降りていくと、紀知家の人間に鉢合わせした。
「悪いが、見逃すことはできん」
唯は言いながら刀を抜きながら、まずは一人の脚を斬りつけた。
「ぎゃああああっ!」
斬りつけられた男が、叫びながら、尻もちをついた。
「いったいなにをしたって言うの!」
母親と思われる女が叫んだ。
「さてな、今から中に入っても無駄だぞ。もう話せなくしたからな」
「け、警察呼ぶわよ!」
「そんな状態でスマートフォンを触れないだろうに」
唯は言いながら女の右腕を斬り落とした。
「ああああああっ! ……その子には手を出さないで!」
「情けなどかけていられないんだよ」
唯は言い放つと、少年の左腕を斬り落とした。
「痛い、痛いよっ!」
「まともに生きられはしない身体にした。オレの姿を見られた以上は、そこまでしないといけないんだ」
彼らをどうしようもない苦痛の地獄に突き落とした唯は、低い声で呟いた。
刀についた鮮血を殺ぎ落とし、鞘に仕舞うと、その場から立ち去った。
屋敷に顔を出すと、依頼人が待っていた。
「そろそろ、終わるころかと思ったので」
「依頼は完了した」
「よかったです。これで、もう苦しまなくてすみます」
ニコッと笑った依頼人は屋敷を後にした。
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