僕は裕太。

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僕は裕太。

僕は川崎裕太。 小学三年生の男の子だ。 今日から新しいお家に住むことになった。 母ちゃんと二人で。 でも、ずっと二人だった。 パパがたまにいたけど、僕はパパが嫌いだ。 父ちゃんなんて呼ばない。 小さい頃からパパと呼んでたから、仕方なくパパって呼んでるだけだ。 だって、母ちゃんを泣かしてばっかだったから…。 僕が寝たあと、母ちゃんはいつも泣いてた。 一人でいるときも、パパがいるときも。 パパの怒鳴り声で起きるときもあった。 友達に聞くと、パパとボール投げして遊んだりとか、ママのためにご飯作ったりとかするみたいだけど、僕は一度も無い。 だから、パパと離れるのは寂しくなかった。 なのにパパは、「パパと一緒に暮らすと、好きなオモチャ買えるぞ!」と母ちゃんのいない所で何度も言ってきた。 …嫌なのにさ。 母ちゃんを守れるのは、僕だけだ。 パパと暮らせなくなるんだ…って、母ちゃんが申し訳無さそうに言った日、僕は神様に誓った。 母ちゃんを困らせない。悲しませない。 って…。
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