3.誰も知らない、私以外は

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「にん……しん……?」 彼は、驚いたように私の顔を見る。 「あ、あの……私……」 この場合、どうすればいいのか。 混乱した私は必死で脳内で 謝る言葉を考えていた。 すみません。 あなたの息子さんの子供を 妊娠してしまいました。 すみません。 妊娠していたことを だまっていました。 ……すいません。 私とあなたの息子さんは きょうだいだったんです。 目の前にぐるぐると文字が 浮かんでは消える。 目の前の2人が どんな表情で私を見ているか 分からない。 「羽奏!羽奏……!?」 「羽奏ちゃん!どうしたの!?」 2人が私の名前を呼ぶ声だけ 耳に残して 私は一気に闇に落ちていった。
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