2.その倫理を守るのは、誰のため?

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おねがい、刀馬くん。 話したい。 あなたの声が聞きたい。 おねがい、早く返事ちょうだい。 「ああっ……そこそこ!もっと……!真司さん……!」 母親の、獣のような気味が悪い声が 耳に突き刺さる。 私は両耳で塞ぎながら スマホばかり見ている。 「んんっ……真司さん、真司さん……!」 まだ、彼からの連絡が来てくれない。 「はぁ……はぁ…………ああー!!」 まだ、来ない。 ぎしぎしと、ベッドの軋む音が まもなくあの瞬間がくることを 告げている。 「いい……?加菜子ちゃん……イクよ……」 「きてー!早くきて!!」 気持ち悪い。 そんな声、刀馬くんの以外 聞きたくない。 耳をしっかり塞いでるはずなのに どうして言葉が入ってくるのか 意味がわからない。 私は、もっと音を聞こえなくしようと 耳栓を作ろうと一瞬手を離した。 その時、聞こえてきた。 「また、僕の子供産んでくれるの?」
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