3.誰も知らない、私以外は

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「んっ……」 「羽奏……羽奏……!」 「やだっ……」 彼は、私の乳首を コロコロと飴玉を舐めるように 味わう。 その感覚と 私の中をこする 彼のものの感覚とで 私の中がどんどん 海のように満ちてくる。 その感覚が 私は大好きだ。 だけど 赤ちゃんが 嫌がるかもしれない。 「羽奏……気持ちい……?」 彼は乳首を噛みながら 私に上目遣いで聞いてくる。 そんな彼を可愛いと思った。 あと数ヶ月したら 彼によく似た赤ちゃんが これを吸うのか。 そんなことを考えた時 私は何だか泣けてきた。 「んっ……」 ちゅぱちゅぱと 彼が音をたてて 私の乳首を愛する。 彼が愛した乳首で 私たちの子供が育つ。 動物の子作りは そんなことをしない。 生物学ではきっと これは違和感なのかもしれない。
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