帰り道

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濱口くんは、クラスの中心人物で、明るくてかっこよくて、誰にでも分け隔てなく接してくれるいい奴だ。 女子からの人気も高い。 高二になって初めの頃の宿泊研修の時のこと。 消灯後の女子部屋で、お約束の恋バナ談義。 同じ部屋になった女子8人で順番に好きな男子の名前を挙げてくんだけど、私の前に発表した7人中6人が濱口くんの名を挙げた。 それくらいの人気者。 ちなみに名前を挙げた6人のうちの1人が朝水。 ---朝水、異性に興味なんて、まだなさそうだったのにな…。 小さな頃から朝水のことを知ってる私としては、その答えは少し意外だったけど、朝水もまあ思春期ってやつか。 朝水は多分ちゃんとメイクしたら可愛くなるはずだけど、そのへん無頓着。髪も黒髪を黒いゴム紐でキュッと結んだだけなのが、幼なじみとしては勿体なく感じている。 ちなみにその恋バナ談義、私的には濱口くんに全く興味なかったけど、まあその場の空気を読んで?好きな人として濱口くんの名前を挙げといた。 その方が場が盛り上がるっしょ? ちなみに名前の挙がったもう1人は、担任の先生だったから、ノーカン。 実質濱口くんの完全優勝。 てか、先生の名前をあげた子、今も許されざる恋にマジで心を焦がしてるみたいで、私としてはドン引きなんですけど。 なーんて、その時の女子トークの内容が、口の軽い誰かから漏れてたのかな?それとも偶然? 濱口くんが私に告ってくるなんて。 私は朝水が気付いてないことを祈りながら、濱口くんに丁重にお断りをして、屋上を後にした。
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