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向日葵の季節のお話(おまけ)
期末テストが無事に終了し
明日から夏休みに入ろうとしていた。
「これ、どこに直すんだろ?」
写真フォルダーを棚にしまうように部長に頼まれ1人部室で作業していると
いつのものか分からない写真が棚の奥から2~3枚出できた。
最近のものかな?
「なにしてんの?ヒイラギくん」
といつからいたのか奏先輩がにこにこしながら僕の頭を撫でる。
「撫でないで下さい!子供じゃないんですから…。」
「いや〜ヒイラギくんの髪ふわふわでつい触りたくなるんだよね♪︎」
全く、この人はいつもいつもからかって…。
「で、何してたの?」
「部長に頼まれて前期の活動中に撮った写真フォルダーに直して棚にしまってました。」
「真面目だね、ヒイラギくん」
「先輩が適当すぎるんですよ。あっそうだ
先輩」
「ん?なに」
「これ、いつのか分かりますか?」
さっき見つけた写真を先輩に渡すと先輩は少し寂しそうな顔をして
「直さなくていいよ。捨てていいやつだから」
と写真を机の上に置くと
いつもと変わらない笑顔で
「手伝うよ」
と言ってフォルダーを棚に直してゆく。
先輩が手伝ってくれたおかげで予定より早く終わった。
「先輩って学生寮でしたっけ?」
「そうだけど、なんで?」
「いや、反対方向なのについてくるんですか?」
「だめ?」
ニコッと微笑む先輩の表情にドキッとしたのは内緒だ。
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