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次のページの絵も同じ丘のうえ。だけど、電車が増えています。
「こだまくんが『いちについて』といって みんな はしる たいせいを とりました。そのときです。『ちょっと まったー』といって、『まてまてまてまて、しんかんせんだったら じょうえつしんかんせんもいるぞ』と「あさひくん」「ときちゃん」もやって来ました」
わいは「おー」と小さく声を上げた。
母ちゃんが、フフッと笑う。
「こだまくんが『よーし、こんどこそ! いちについて』といって、みんながみがまえると、またまた「ちょっとまったー」といって、こんどは ドクターイエローがやって来ました」
わいは「おおー、きた!ドクターイエロー」と声を上げた。
母ちゃんが、フフフッと笑う。
それから、寝台特急ブルートレイン「北斗」がやって来て、特急「あずさ」や「つばめ」がやって来て、ディーゼル機関車の「ブルーサンダー」と「金太郎」もやって来て、フランスから「TGV」もやって来て、クリーム色と赤色の「阪神電車」と小豆色の「阪急電車」、オレンジ色の「大阪環状線」もやって来て……
わいは電車が来るたびに「おおー」と声を上げていたが、あれ? こんな話やったっけ? と思って母ちゃんに聞いてみた。
母ちゃんはフフッと笑いながら、
「なっちゃんは、とにかくどんどん電車が出せば喜んでたからね。まあ、楽やったわ」
「ふーーん」
なんかそんな感じやった様な気もした。
次のページは、丘の上に 電車、電車、電車、電車…… でお祭り騒ぎになった絵が描かれていた。あー、この電車1本1本に「コレは阪神電車」「コレはTGV」って説明してた気がするわ。
そして絵本は続く。
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