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「あー、寒い! 本当に! 大野さん、今日はあったかいモノ食べないとダメですよ」
「うん、そうだね」
ダウンコートを着て、ニット帽にマフラー、手袋と完全防備のはずなのに、それでも加納さんはとても寒そうだ。
菜月の結婚を知っても、痛みは全く感じなかった。シンプルに「どうか幸せに」と思えた。
それよりも、僕は多分隣にいる威勢の良い人がかなり気になっているらしい。
「あったかいモノ、食べて帰ろうか? 二人で」
僕がそう言うと、加納さんの頬がボンッと赤く染まった。
初雪の日のジンクスが、今度こそ成就すれば良い。
―――初雪おめでとう!
〈end〉
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