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永遠に、毎年ずっと二人で「初雪おめでとう」って言えたら良かったのに。高校卒業後、進路の分かれた僕たちは自然と会う頻度が減って行った。華やかな女子大へと進学した彼女が眩しすぎて、僕から別れを切り出した。
自分から手を離してしまったことに、何度か後悔の念を抱いた。だけど、きっと僕はまだ幼過ぎたんだろう。
「ちょっと! 大野さん?! 歩くの遅すぎません? 寒いんだからもっと急いで!」
「ハイハイ」
少し前を歩いていた加納さんが怒りだした。加納さんは威勢が良くて、どっちが先輩だか後輩だか分からない。これ以上怒らせないように、慌てて小走りで追いつく。
「おめでとう」
なんとなく言いたくなってそう言うと、加納さんは当然ながら怪訝な顔をした。
「は? 新年の挨拶なら今朝しましたけど? 忘れちゃいました? 新年早々ボケてないで、ちゃっちゃと歩いて下さい!」
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