(一)

3/4
前へ
/30ページ
次へ
「また、復活したの?」  デニスがあきれたように言った。 「これで十五回目だっけ」  私が言うと「十六回目よ」とデニスがうんざりしたように答えた。  このゲゲチコリは、一週間前に反政府運動組織の中でも過激派であるカヘティ解放戦線のメンバーによって暗殺されたはずであった。それにもかかわらず、またこうしてテレビで演説をしているのだ。きっとまた、影武者が用意されていたのだろう。 「私もそうなるんじゃないかと思っていたのよねえ」 (続く)
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1009人が本棚に入れています
本棚に追加