(一)

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「私もそうなるんじゃないかと思っていたのよねえ」  デニスの言うとおり、私もそんな予感はしていた。これまで何度も暗殺されていたハズなのに、またもや姿を現したからだ。反政府活動家が軍に対し武装解除を勧告しても従わなかったのはそういうことだったのだ。これと同じ事がもうすでに何度も続いており、この国のクーデターによる政権はもう一年間もこの男に奪われてままであった。 「またやる?」  私はデニスに聞いてみた。 「もちろん。何度でもやるわ。黙って見てられないもの。きっとカルヴァシだって同じことを言うに違いないわ。こうなったら何度でも徹底的にやるしかないわよ」  デニスが力強く答えた。 「わかった。みんなに連絡するね」  私が答えると「よろしく」とデニスは私に目配せした 「よし、そういうことなら、あっちにも伝えてくる」  そういうと、エフゲニーはアジトから出て行った。 (続く)
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