一章「二」
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ところが、今日は、いつもと違っていた。 どうしたことか、グソンは執拗にドンレを求めた。 ……ああ、香西の妃が、宮を開けているからか。 女官長は、後宮のありとあらゆる事に通じている。 誰と誰が親密であるか、ドンレが知らぬはずがない。 官きっての美貌の持ち主グソンと、側室の内でも一、二を争う才女、香西の妃。 二人が惹かれあうのは当然のことで、グソンはかなり本気で入れ込んでいると聞いていた。
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