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ところが、ウォルはいつも趣味の良い色あわせの衣を着こなしている。
腰には金と玉の飾りが付いた、豪華な剣を差しているから、武人なのだろう……か。
しかし、体つきはとても華奢で、上背があることを除けば女のミヒとそう変わらない。
面差しも、傷一つ見られず、たたえる眼差しには雄々しさもない。
歳もミヒと近い気がする……。
「来月、お邪魔していいかな?しばらく、ミヒの側にいたいんだ」
言いながら、ウォルは身震いした。
まだまだ、朝は花冷えが厳しい。
来月、王は妃を迎える。そうなれば、しばらくジオンはここへ通うことはないだろう。
ウォルは、そう言っているのだ。
「心配しているの?私は、大丈夫よ」
「たぶん。でしょ?だから、側にいてあげる」
ジオンとは違う、まるで兄のような眼差しをミヒは感じた。
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