一章「三」

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「おい、私のミヒを口説いているのは、どこのどいつだ?」 吉祥模様の(さん)が渡る、明かり障子を開けるジオンの姿。 「これはご機嫌よろしゅう」 「ウォル、ミヒを口説くとはどういう了見だ?」 「男なら、ミヒを見て口説かないはずがないでしょう?」 ふんと鼻であしらいながら、ジオンは頭を垂れるウォルを促した。
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