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――ウォルは、ジオンの美郎兵として、長年側に仕えていた。
このあたりでは、小姓と呼ぶようだが、ジオンが元々治めていた土地には、幼少の時より自分が育てあげた青年を、側に置く習慣があった。
王の威厳を際だたせる為の役目であるが、往々にして、情が加わり、王の寵妾となる運命をたどる。
もちろん、ウォルもジオンにすべてを捧げていた。それが、誉れであり、ウォル達にとっては、特に驚くことではない。
ただ、この地では、男色家と色眼鏡で見られるため、ウォルの素性は伏せられていた。
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