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「すまない、ミヒ。ウォルにも朝餉の用意をしてやれないだろうか?」
ジオンの言葉に、ミヒは小さく頷いた。
わかっている。これは人払いだ。
侍女がちゃんと手配する。何も、ミヒが動く必要などなかった。
言われたままに部屋を出て、ミヒはつかつかと廊下を進んで行った。
歩む歩幅は、ミヒの胸のうちを表しているようだった。
向かいの棟を繋ぐ回廊の突き当たりを左へ曲がり、ミヒは引き戸の前で立ち止まる。
人払いにあった時、決まって逃げ込む部屋である。
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