一章「三」

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……それにしても、こうして不機嫌に歪める顔すら美しいとは。 確か、今年で十六、いや、十七になるのか。 磁器のように輝く白い肌……。 鼻筋通る面差しには、切れ長の瞳が光っている。 あと、余年もすれば、この瞳は熟した色気をかもし出す。 まだ、女としては未成熟だが、それでも、十分に美しい。 ジオンからすれば、これからが楽しみで仕方ないといったところだろう。 ミヒを拾ったあの時、ここまで美しく育つとは、思っていなかった。 でも……。 あの時、佇むミヒを、拾ってよかったのだろうか……。
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