一章「四」

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「かの王女は、まだお若い。暫くはこちらの生活に慣れてもらうつもりでいる。お前の力も必要になるだろう。力を貸してくれるな?」 「ええ、もちろんです。妃にはお世継ぎを産んでもらわなければ。後宮の女達皆でお力添えいたします」 適当に、はぐらかそうとする王に、ドンレは食い下がった。 ドンレも、王に気にいられいてないのはわかっていた。 だからこそ、王妃に、いや、産まれて来る王子に賭けているのだ。 「お世継ぎは、宮殿で産まれるものです。お忘れなきように」 伺いというよりも、強制に近い言葉を吐くドンレに、ジオンはぞっとする。 妃を迎えることで、ミヒに危険が及ぶかもしれないと、ジオンは初めて気がついた。 返す言葉のない王にドンレは意味深な笑みを投げ掛け、消えた。
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