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La Resurrección De Los Creyentes ~信仰者の復活~
我、アグノティオキス・ロベルト・デ・ロジョーラは、当時、まだカテドラニア王国と呼ばれていたエルドラニア王国の一部、ビスコーニュ地方アスペディア村を治める騎士の息子として生まれた。13人兄弟の末っ子である。
生まれつき体格には恵まれ、ラテン系の褐色の肌にライオンの立髪のような金髪頭という厳つい見てくれであったこともあり、少年時代には父のような騎士になることを当然、目指したのであるが、いかんせん嫡男ではなく、しかも13人兄弟の末っ子だ。家督を継げる可能性は皆無である。
そこで、父の知り合いのドン・ファンファン・ベランメケス・デ・ケロールという後継のいない騎士の従騎士となり、ゆくゆくは彼の跡を継ぎ、正式な騎士に叙任してもらうという約束で武術と騎士道修行に励んだ。
しかし、ポンパドーラで起こった隣国フランクルとの領有権を巡る戦にドン・ファンファンとともに従軍した際、当時、戦場を席巻し始めていたマスケット銃の銃弾を我は脚に受け、敢えなく戦線離脱を余儀なくされてしまったのである……。
「――まあ、戦に怪我は付き物だ。しばらくはここでゆっくりするがよい」
「はい。父上……」
重症を負った我は久々に実家へと帰り、アスペディアの城で療養生活を送ることとなった。
松葉杖を突いて立つ我に父は優しくそう声をかけてくれたが、この時の我は絶望に打ちひしがれていた。
重症とはいえ、幸い日常生活に支障をきたすまでには至らなかったものの、従騎士としての修行を中断せねばならなかったし、障害の残るこの脚では、たとえ騎士になれたとしても満足のゆく戦働きはできまい……。
城の自室でベッドに横になるだけの退屈な療養の日々、そんな傷心の癒しを我は騎士道物語の中に求めた。
脚の不自由な自分に代わって世界を駆け巡り、勇猛果敢に冒険を繰り広げる主人公の騎士達に、自らの願望を投影しようとしていたのだ。
「え!? ないのですか?」
ところが、本の在処を尋ねた我は父の言葉に唖然とする。
さらについてないことにも、我が家には騎士道物語の本がなかったのである……ドン・ファンファンの屋敷には幾冊かあったので、騎士の家なら当然あるものと思っていたのだが……。
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