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5.朝
「あ! 痛いよ……。それ刺激強すぎ。吸うのはダメ、舐めてほしいの」
「こうかい?」
「ああ、いい……。そう……。ううーん、憲太郎、最高……」
第二ラウンドをいつ始めたのか覚えていない。ただ、気がつくとボディソープの香りと何となく甘酸っぱさの漂う春香の脚を開き顔を差し込んでいた。そのときは遮光カーテンの縁はまだ染まっていはいなかったと記憶している。
またイくのだろうか。女体が痙攣を始める。左右に投げ出された手がシーツを掴んでいる。腰を掬いたがる春香を抑え込み、舌を這わせ、襞をつつく。鞘から今にも花開こうと真っ赤に腫れ上がったつぼみを舐めあげる。吸うのを禁止されてしまったから舐めるしかない。
男はどうしてこうも吸いたがるのだろう。からだ中にキスマークを付けて叱られた。乳首を吸いすぎて叱られた。そしていま、花芯を吸いすぎて叱られた。
女はどうしてこうも喘ぎ声をあげるのだろうか。それも日常の1オクターブは高いだろうと思われる細い声で。からだの熱を吐き出すように。
男は吸い、女は吐く。プラスとマイナスだ。陽と陰の調和だ。
僕はそんなことを漠然と考えながら、ひたすら舌とくちびるを使った。
「イっちゃうの。また、イっちゃうの。ごめんね、憲太郎、ごめんね、あ! イく!」
左右から太ももに挟まれ耳が圧迫される。両手で顔を股間に押し付けられ息ができない。それでも必死につぼみを舐め上げる。濡れそぼった割れ目からさらに淫水が噴き出す。
「あ・あ・あ・あ……」
「あ」の回数だけからだを痙攣させ、春香は果てた。
春香の股間から解放された僕は、空気を胸いっぱいに吸い込む。あと3秒遅れていたら僕は窒息死していただろう。
かわいそうなのは僕の分身だ。行先をなくし、いきり立ったまま途方に暮れている。鈴口から大量の透明液を滴らせながら。
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