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春香は3回イった。処女の絶頂はじつに見ごたえがあった。無垢と淫乱のせめぎあいは芸術的でもあった。
僕は童貞で、春香自身も処女のままだった。
すごくよかったよ。健太郎君――じょうずなんだね。
昨晩から三度目のシャワーを終えた春香がドレッサーの鏡を覗き込みながら言った。
褒められてうれしくないことはなかったが、僕の心はわだかまっていた。
「オレ、春香の初めての男になりたかったんだ。でも、まだ……」
「そうだよ。憲太郎は私の初めての男だよ。こんなに気持ちよくしてもらってありがとう。憲太郎って本当に優しいんだね。大好きだよ」
春香は無邪気に喜んでいる。
「でも、キミはまだ処女のままで……」
「憲太郎は童貞のままだね。くくく……」
「だから、もう少し時間あるから……」
「わたし、もう行かないと」
「でも、オレもキミも童貞と処女のままだし……」
「昨日射精したんだよね? あれで満足でしょ?」
「いや、オレはキミの中に出したかったんだ。一緒に卒業したかったんだ」
「そんなことしたら、わたしたち、おともだちじゃなくなっちゃうでしょ?」
「え……、あ……」
「高田さんに迷惑かかっちゃうから、わたし先に出るね」
僕は下半身で滾っていたものがたちまち萎えていくのを感じていた。
――おともだち……かぁ。
まあ、いいか……。ともだちである限り、またこうしてホテルで抱き合うこともできるだろう。そのうち春香に童貞をささげる日もきっと来るだろう。
掛け布団の下に春香のピンク色のショーツがあった。クロッチに縦に細長いシミが残っている。僕はそれをこっそり拾い上げ、ベッドの下に脱ぎ捨ててあったジーンズを畳むふりをしながら、ポケットに忍び込ませた。
――このぐらいのことは大目に見てくれよな。記念品として大事にさせてもらうぜ。
「あれ? 憲太郎、私のパンツ知らない?」
「ん? 知らないよ」
「取ったでしょ?」
「うん。食べちゃった」
僕は服をもって素っ裸のままシャワールームに向かた。
あちこち探し回っても見つからない春香は、とうとうあきらめのだろうか。全面ガラス張りのシャワールームから、春香がノーパンのままミニスカートをはくのが見えた。
何も心配する必要はないさ。ともだち同士、そういうことはよくあることなんだから。それに彼女は賢明な女じゃないか……。
<了>
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