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告白②
「ツグミちゃん…、あのね、こういう事情なんで、弟には君のこと、聞いたんだ。同じ中学の同級生だってことで…」
「はい…」
「まあ、裁判のことは伏せて、さりげなく北町の郡さんって同級生知ってるかって…」
「そうですか。それで、彼、なんて答えてました?」
「今、例の事情で…、まあ引きこもりって表現だったが、学校には来ていないと…」
「はあ、それだけでした?」
「いや、それが、あの…」
「どうしました?」
桜木は明らかに13歳の少女に詰められていた
***
「…君に乱暴を…。最後まではいかなかったらしいが、体育館の裏で体を触り、服を脱がせて…。いや、済まない。年の離れた弟とは言え、君には本当に申し訳ないことをした。この通りだ」
「…」
「俺は言ったんだ、弟に。彼女が学校に来られないのは、お前のせいじゃないのかって」
「違いますよ。私が登校拒否とひっこもりになってるのは、お姉ちゃんのせいですから」
「ああ…、まあ、そう言ってくれるのであれば…」
”なんとも掴みどころがない女の子だ、ツグミって子…”
桜木の胸中は複雑だった
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