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ケンとの出会い
今年の春、ケンはツグミの中学に転校してきた
二人の出会いはその直後であった
***
昼休みの体育館裏…
”クレームかけ”のアガりを、ケンはナルオ達と4人で配分分けをしていた
ケンの取り分は900円だった
「おまえら、いつもこんなことカマしてんのか?」
「ああ、今日はお試しだ。よかったらまた誘うぜ」
「いや、お試しで辞退させてもらう。じゃあな…」
ケンがその場を立ち去ろうとした時、2人の女子生徒が走ってきた
***
「みーちゃった、みーちゃった~~!」
ナルオ達は参ったなーって顔で、やや苦笑いしていた
「しょーがねーな…。ケン、この場合、こいつらには口塞ぎ代ってことになってるんだ」
「ああ、アンタ転校生だよね❓A組の…」
「まあ、郷に入ればそれに従うってことでさ~、キャハハハ…」
二人の女子生徒は、ニヤニヤとジロジロの中間って目線でケンを見定めするようだった
***
出会い②
だが、ケンの表情はこの間もずっと無表情のまま…、であった
そして、声変わり真っ最中の独特な響きで、棒読みのようにこう尋ねた
「やだと言ったら…?」
すると、二人組少女のうち、ぽっちゃりの方がやや目つきを鋭くしてこう返した
「ああ、簡単よ。ナルオ、説明してやって」
ナルオは苦笑しながら、ケンに告げた
「恐いおねーさんに通報される。そう言うことだ」
ケンは意味不明といった顔つきでしばらく黙っていた
***
皆はケンの様子をじっと凝視していたが…
「…あのね、私達のクラスの子のお姉さんに言いつけて、”お仕置き”ってことになるわ。これ、結構キツイのよね~~」
ここで二人組少女のもう一方、背の高い目のパッチリ系がやや諭すように、それでいてどこか威圧感を発して”補足”すると…
「言っとくけど、そのお姉さん、ハンパなく凶暴だからあしからずう~。キャハハハ…」
二人の女子生徒は手慣れた掛け合いでケンに”忠告”した
***
これに対して桜木ケンのアンサーはきっぱりだった
「フン、おもしれーや。ぜひ、通報ヨロシクだわ」
「おい、ケン!やめとけって…。大した額じゃないんだしよう。まあ、女の子との付合いみたいなもんなんだ。カタク考えんな。なあ?」
「そんなお付き合いはゴメンだね。それに、その凶暴女っての、こっちもお目にかかりたいわ。遠慮いらねーから、どーぞどーぞってこと、勝手にチクってくれ」
その場の5人はあっけにとられていた
***
「知らねーぞ、ほんとに!」
「ナルオこの勘違い転校生に、ココの学校のルール分からせた方がいいね。ナミ、かまないからツグミにつなごう」
「うん。転校生のアンタ!後悔することになるから、覚悟しときな‼いいかい、郡氷子って人だから、その人。まあさ、せっかくだから最強モードのイカレたお姉さんに、こってりかわいがってもらいな(ニヤケ顔)」
二人の中2女子生徒はすでにズベ丸出しだった
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