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ケンとの出会い②
その日の午後、下校の途に就くケンが校門を出ると…
すぐ脇の塀に持たれながら立っていた小柄の女子生徒が声をかけてきた
「あなた、2年C組の桜木君?」
「ああ、…オタクは?」
「同じ2年の郡ツグミ。A組のナミたちから聞いたわ。その件でね…」
「ほう、そっちがイカレた凶暴女の妹か…」
「ちょっと、場所変えて話さない?」
ケンは了解した
***
「…お前の話は理解した。あの女ども、ふざけてんな。だが、オレはやりたいように行動する。悪いが、お前の言う通りのつじつま合わせは遠慮させてもらうわ」
「なら、本気でお姉ちゃんと向き合うつもりなのね?」
「そうだ。”それ”で、ナミとかって女たちにはありのまま返してくれればいい」
「わかった。でも、怖くなってどうしてもって時は私に言って。間に合えば、何とかしてお姉ちゃんを止めるから」
「…お前よう、人のことより自分のこと考えろよ。姉さんダシであんなワル連中に利用されて、情けねー」
ツグミは俯いてしまった
「しょげたって始まんねーよ。じゃあ、オレは行くからな」
霧澄川の土手から立ち上がると、ケンはさっさとツグミを置いて去って行った
「…」
ツグミはその後ろ姿をジーッと眺めていた
ビミョーな笑みを浮かべて…
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