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日曜日の昼過ぎ。
古木の携帯に、中学からの友人、河野から電話が掛かって来た。
「もしもし、河野だけど・・・」
「おう・・・久し振りだな」
「今日の午後六時から、子供の誕生日会やろうと思ってるんだけど、来れないか ?」
「えっ !? ・・・お前ん所、子供いたっけ ?」
「ん・・・ああ・・・」
「出来たんなら言えよ。水臭いな」
「ああ・・・」
「いつ生まれたんだよ ?」
「まあまあ・・・それは、な・・・」
「何だよ。歯切れ悪いな・・・それにしても急だな、今日の午後六時からなんて。普通、もっと前に連絡するだろ」
「ごめん。予定とかあるんならいいけど・・・」
「行くよ、もちろん。いろいろ聞きたいし」
「そうか。ありがとう」
午後六時前。
古木は、河野のマンションに着いた。
リビングに入ると、すでに誕生日会の飾り付けがされていて、テーブルには料理が並んでいた。
「急だったし、赤ちゃんへのプレゼントなんて、何買っていいか分からなかったから・・・」
そう言いながら、古木は、ご祝儀袋を河野に差し出した。
「ああ・・・悪いな、ありがとう」
「で・・・肝心の赤ちゃんは、どこだよ ?」
古木は、辺りを見回す。
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