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「意味が分からないんだけど・・・」
「じゃあ、改めて聞くけど、本当の誕生日って、いつだと思う ?」
「本当の誕生日って、生まれた時に決まってるだろ」
「違う違う」
「違うって・・・じゃあ、いつだよ」
「受精した日だよ」
「受精した日 !?」
「ああ」
「・・・そりゃまあ、そうかもしれないけど・・・いつ受精したかなんて分からないだろ」
「分からないからって、何もしなくていいのか ?」
「しょうがないだろ・・・えっ !? ・・・という事は、もしかして・・・今日、受精したかもしれないから、その誕生日会をするっていう事か !?」
「ああ」
「いやいや。さすがに、それは頭おかしいだろ」
「何でだよ。じゃあ、将来、生まれてきた子供が、何で僕が受精した日に誕生日会してくれなかったの ? なんて言って、グレたらどうするんだよ」
「グレる訳ないだろ。受精した時の記憶なんて無いんだから」
「お前、三才位の子供が、お母さんのお腹の中に居る時の記憶を突然しゃべり出したっていう話、聞いた事ないか ?」
「あるけど・・・でも、それは、ある程度成長して、脳が出来てからの話だろ。受精したばっかりで脳も何も出来てない段階で、記憶なんかある訳ないって」
「それは分からないだろ。全ての事が、科学的に解明されてる訳じゃないんだから」
「それはそうだけど、さすがに、受精した時の記憶は無いって」
「ひょっとしたら、あるかもしれないだろ」
「いや、無いって・・・里奈ちゃんからも言ってやってよ」
困った古木は、里奈に助けを求めたが、
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