170人が本棚に入れています
本棚に追加
7.悪魔の企み
翌朝、僕はぼーっとしたまま湖に浮いていた。
なんでこんな大事なことを僕は忘れているんだ?
頭を打ったにせよ、滉一さんとのことだけまるっと忘れるなんて……
しかも滉一さんと僕が……セックスしたことあるだって?信じられない。
じゃあこのゲームは一体何なんだよ?
ひとしきり湖を漂って、日が真上に登った頃にお昼ご飯として滉一さんがくれたバナナを嘴でつつきながら食べた。
他の白鳥達はよく虫とか草なんて食べられるよな……
彼らだって本当は人間だよね?ていうかあの人達もゲームに参加させられてるのかな……
はぁ。どうしたらいいものか……
独りでバナナをつついていたら、背後からガサガサと音がした。
びっくりして振り返ると、ロットバルトだった。
"なんだあんたか…"
「クァ〜」
「良いものを食ってるな。だがそんなものだけじゃ太れないぞ。来い」
またロットバルトの部屋に連れて行かれ、ご馳走を出された。
僕はまたいつもどおりの量を食べた。
「相変わらず大した量を食いもせず終わりか?私はもう少し肉がついてる方が好みなんだがね」
「別にあんた好みの体型になる気はないよ」
「冷たいねぇ」
「そんなことより、僕と滉一さんとのことを隠していたよね?」
「隠してた?何を」
「僕が滉一さんと……えーと、あれだよ。その、昔セッ……クスしたことあるって聞かされたんだけど」
「そうだな。知らなかったのか?」
「記憶に無いんだ。あんたの仕業なの?」
「違うね。お前が勝手に忘れていたんだろうが」
「他に何を隠しているんだ?」
「教えて欲しかったらちょっと付き合え」
ここの料理を食べた後はなんだか頭がぼーっとするな。
もしかして何か混ぜものをされているのかな?
ロットバルトに手を引かれる。彼は革張りの一人がけの椅子に座り、僕を膝の上に乗せた。
「軽いな。しかも肉がついてないから尻の骨が当たって痛いぞ。もっと太れ」
「そんなことはどうでもいいだろ。それよりなんなの、この体勢は」
「思い出したいんだろう?過去を」
「思い出させてくれるの?」
「ちょっとだけサービスだ」
そう言ってロットバルトは僕の身体に指を這わせた。
長い爪で服の上から胸の先端を弾かれる。
「んっ!?ちょっと、何するんだよ」
「こうしているうちに思い出すだろう?お前が経験豊富な男好きだということを」
「そんなわけな……あっ……」
「ほらほら、どうした?身体は正直なようだな」
「んん……っ、ふざけるな……」
ロットバルトは僕の股間にも手を伸ばして来た。衣服の上からすりすりと触られてだんだんそこが硬くなってくる。
そしてそのまま手を後ろに滑らせて割れ目をグリッと指で抉られる。
「いったいここに何人の男を咥えこんで来たのかな?」
「や、知らない……!そんなことしてない……」
「本当に忘れているのか?」
「しらな……あっ、やだ……」
ズルッと半ズボンを脱がされた。
そこは痛いほどに勃ち上がり、先走りで下着にシミまで作っていた。
「だめ……やめて!」
「やめていいのか?ほら、ここは喜んでいるようだが」
下着ごと強く扱かれる。
「ああっあん!や、やだぁ……ひっ、きもちいい……っ」
悪魔め。うますぎるんだよ。
僕は自分の記憶的にはこういう経験があまり無いのだ。なのでこんなの刺激が強すぎる。
「このまま出したいか?」
「だめっ、汚れちゃう……」
「気にするな。着替えさせてやるからこのまま出せ」
悪魔はより一層手を速めて僕を追い詰めた。
「あっあぅ……だめ、出ちゃう……!」
僕は腰を突き出すようにして下着の中に欲望を吐き出してしまった。
汗ばんで荒く息を吐く僕をニヤニヤと見つめながら悪魔が下着を下ろして中を見せつけてくる。粘ついた白濁液が糸を引いていた。
「ほうら、こんなに出た。いやらしい顔で喘いでいたな。お前を食べるのが楽しみだよ」
「はぁ……はぁ……そんなこと……させるわけない……」
「それはどうかな?男にこうされるのは身に覚えがあるんじゃないのか?」
「あるわけ……ないだろ……」
「そうか?それは残念。じゃあ思い出すまでまた王子様と語り合うことだな」
「え?教えてくれるんじゃ……」
気付くと僕はまた湖に帰されていた。
あのエロ悪魔め!結局触られただけじゃないか。
最初のコメントを投稿しよう!