エピローグそしてプロローグ

1/1
前へ
/11ページ
次へ

エピローグそしてプロローグ

 時を告げるアラームが鳴る。  オズはようやく決められた動きをし始めた。  モニターが明るくなり、次の瞬間、大きく映し出した物、それは……。  地球だった――。  出発した頃より、青い。計算通り、環境は復活したようだ。  この後、文明を取り戻し、人類がまたこの星の主要生物として復活できるかどうかは、彼らにかかっている。  オズは背後を確認する。異常はない。  このコクピットは小さいが、つなげられた巨大宇宙ステーションには、冷凍冬眠(コールドスリープ)状態の人間達がいる。その数は、一万人程度――。  同じようなステーションが他の場所に十数機ある。みな、太陽からのエネルギーにより2000年稼働し続けているのだ。ようやく、その役目を終えることになる。  さて、人類よ。帰るがいい、地球へ。  オズはゆっくりと、冷凍冬眠(コールドスリープ)を解除させていった。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加