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別の場所では、リオナが金髪とスキンヘッドの繰り出す攻撃を、まるで舞うように避けていた。
パンチも蹴りも、涼しい顔で紙一重で避け続けるリオナ。その表情は「つまんないなぁ」と言っているようでもあった。
リオナは、リョウが2人を倒したのを確認し「さて」と一つ息を吐く。そして、目つきを鋭くした。
次の瞬間、鋭く回転しながら足を繰り出すリオナ。後ろ回し蹴り。かかとが金髪の鼻に炸裂した。
ぐわっ、と叫んだ金髪は後方にもんどり打って倒れ、身体をピクピク痙攣させていたが、すぐに動かなくなった。
慌てたスキンヘッドが一瞬動きを止めたところへ、リオナは前蹴り。
高々とあがったつま先が、スキンヘッドの顎を破壊する。声もあげられず、彼は崩れ落ちるように倒れた。
「あーあ、ものたりないな。俺が全員やりたかったのに」
リョウが肩を竦める。
「それはお互い様でしょ?」そう言いながらリオナは姉妹に近づいた。「もう安心よ」
優しく声をかけられ、ジュリアとサーヤは目を潤ませた。ホッと一息ついて改めて見ると、リオナという女性刑事はとても美しい。
「どうかしましたか?」
見つめられて、リオナが戸惑う。
「そんなに綺麗なのに、すごく強いんですね」
「い、いや、べつに……」
照れるリオナ。
「彼女の家系はずっと警察関係者なんだけど、その中には、昔、捜査一課の可憐な花、って呼ばれた人もいたらしい。血筋だな」
リョウが説明すると、リオナが「余計ことは言わないで」と肘で小突いた。
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