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私がこのようなおかしなことを考えるのは、やはりミステリーやホラーなどの怪奇小説が好きな影響であるからなのだろうか……
それでもまた、このような時でもミステリー小説を読んでは心を落ち着かせていた。謎解きは得意ではないのだが、主人公が鮮やかに解いていく軽快感や爽快感がたまらなく心地よい。
いつだったか、何気なく手にした本で、謎めいた主人公を操る作家のエッセイを読んだことがある。それには、自分があたかも体験してきたような疑似体験とも表すべき感覚が、筆を走らせ現実と空想の世界を行き来しているのだ、と述べられていた。
それが一体どのような感覚なのか、私のようなつまらない人間には、どんなに時間をかけても理解するのは難しいだろう。ただ、その物語に没頭することだけは、私の中で人生の一部として遺伝子に組み込まれていることには違いなかった。
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