苺ジャム

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どのくらいの時間を費やしていたのだろうか。 ふと、外が気になり顔を上げた。なんだか騒々しい感じがして窓を開けると、人集(ひとだか)りができている。どうやらそこは、私の家から道を挟んだ隣の家のようであった。その様子がやけに気になり、本にしおりを挟んで私もそれに加わった。 あとからパトカーも来て、警察官が慌ただしく動いている。何か事件が起こったらしい。 すると警察官が「この中に探偵さんはいますか? 謎を解いて欲しいのです」と言った。なぜそのようなおかしなことを聞くのだろうと思いながらも、その様子を眺めていると、一人の男が颯爽と手を挙げた。そして、私の方を見てニコッと奇妙な笑顔を見せた。 「君も一緒にどうかね」 突拍子もないことを言う人だと思いながらも、興味本位が先を行き、当惑しながらもついついその男の後ろへと私はついていってしまった。
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