31人が本棚に入れています
本棚に追加
家の中に入ると、警察官や関係者でいっぱいだと思っていたのだが、数人ほどくらいしかおらず、少ないのには意外だった。白いロープが人型に敷かれており、この部屋に人が倒れていたであろうとそれが物語っている。
「さあ、このナイフを持って再現してみてくれないか」
さっきの男が私に言った。
「何の再現?」
私は戸惑った。警察官たちもこちらの様子を窺っている。男は続けた。
「では、君の袖口に付いているものは何だね?」
おかしな事を言い出した。男は一体何が言いたいのだろうか。私にはさっぱりわからなかった。だが、自分の袖に目をやると、不思議なことに、白いシャツに赤色のシミのようなものが付いていた。まさか、私が疑われている? みんなが自分の方を見ている。
「確保!!」
私を捕らえようと一斉に飛び掛かってきた。
「私は犯人じゃありません。私はやってません! 私じゃありません!!」
もみくちゃになりながら必死で逃げようとして、私は意識を失った。
最初のコメントを投稿しよう!