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「アンダーヘアーだけじゃないの。なんていうか、その……色も形も、みんなと違うかもしれないって思ったら、 なんだかすごく怖くて、恥ずかしくて……」
……思ってないかもしれない。
嵌められた。これは確信的犯行だ!
「だから、お願い……教えて欲しいの。ヴィニーだったらわかるでしょ?」
熱っぽく、潤んだ瞳で、不安げに囁く彼女の表情は真剣だ。
そう、ケイトはいつだって真剣そのもの。
彼女の繰り出すプロポーズだって、拙いなりに真剣なのだ。
その真剣なプロポーズをヴィンセントはいつだってただの冗談で済ませてきた。
「お前、本気か?」
笑い飛ばすなら、今だ。
『つまんねぇこと心配するな。もう少し大人になったら、そんな悩み別な男が吹き飛ばしてくれるさ!』
そう言って背中を叩いてやればいい。
そうすれば、今のこの状況も、すべて冗談で片付けられる。
……冗談にすべきだったのに。
気がつけば彼女の体を自分のベッドに促している自分がいる。
そんな彼に、ケイトは無言で、でもしっかりと頷いて、ゆっくりと身を任せた。
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