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そうして二人で暮らすようになって、気がつけば10年の月日が流れていた。
ヴィンセントに宣言した通り、ケイトはなんでも頑張った。掃除も、炊事も、洗濯も……勉強だけはちょっと苦手だったが、それでもちゃんと頑張った。
ヴィンセントだって頑張った。ケイトと共に過ごしながら、時に怒られ、時に助けられ――主であるアンジェリカに言わせれば、どっちが保護者かわからないような有様だったが――それでも彼なりに精一杯頑張ってきたつもりだ。
笑顔に溢れた、あっという間の年月だった。
ヴィンセントにとってケイトは、かけがえのない『家族』だったのだ。
そんな自慢の娘であるケイトだったが、思春期を迎えて、どうにも困ったことが一つ。
「結婚しよう!! 絶対幸せにするから!!」
自信満々のケイトの口から突如放たれたプロポーズに、ヴィンセントが目を点にしたのは言うまでもない。
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