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適当な相手が思いつかず――というよりも、この少女が自分の元を離れ他の誰かに嫁ぐ姿が想像し難く、とりあえず喚いてごまかす。そんな彼の目の前に少女の顔がずいと迫る。
「じゃあヴィニーは、私がそんなどこの馬の骨とも分からない奴と結婚しちゃってもいいわけ?」
「そんな訳ねぇだろ! 結婚は一生の問題だぞ!!」
「だったらやっぱり、相手はヴィニーしかいないでしょ?」
「だからなんでそうなるんだよ! 大体、俺とお前と、どんだけ年が離れてるかわかって言ってんのか?」
「わたしが二十の時、ヴィニーがの四十の働き盛り!」
「それを言うなら、お前が四十の女盛りの時、俺は六十の老いぼれだ」
「大丈夫、ヴィニーならおじいちゃんになっても、きっとダンディでかっこいいわよ」
「そりゃお前、この俺様とほかの連中を一緒にしてもらっちゃ困る……って違うだろ、話を逸らすな!!」
ヴィンセントは大きく一つ深呼吸すると、目の前のケイトをじっと見つめた。
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